かたつぶり

関東地方では梅雨が明けた。過去最速だそうである。夏至も過ぎこれからいよいよ夏本番である。

 

私は夏が嫌いである。熱いのが苦手な私は日本特有の高い湿度も相まっていつも苛立ちを隠せない。裸になっても夏は暑い。南半球に行きたいと思う。

無論全てが嫌いなわけではない。高校野球はどの試合も目が離せないし、ヨーロッパサッカーでどの選手がどこへ移籍するのかは逐一チェックする。

 

しかし何よりも、学生である以上1度は聞くセリフ「夏は受験の天王山」が嫌いである。

浪人生が戯言を言うなと言われればそれまでなのだが、果たして夏を制したものが受験に必ず受かるかといえばそうでもないだろう。

 

時期が時期なだけに大切さを感じて欲しいのはわかるがそんなことはわかっている。くどい。

加えて私は努力が苦手、嫌いな怠惰な人間である。どうも一気に追い込みとか、そういうことができない。かといって毎日こつこつ継続して学習するのもできない。やっていないだけかもしれないが。

こうやって言い訳を書き連ねて自分でも醜く思うが事実なので仕方がない。だが努力は続けねばならない。実にもどかしい。

 

 

小林一茶の句に次のような句がある。

 

『かたつぶり そろそろ登れ 富士の山』

 

一茶が詠んだかたつぶりのように、山頂まで自分のペースでそろそろと登って行きたいと思う。干からびないように、そろそろと。

そんなかたつぶりが、今夏の私の目標である。2月の本番までに山頂に辿り着けると良いのだが。

 

ブログ開設

私は志望である慶應義塾大学に合格することができなかった。浪人してでも行くという覚悟はあったが、改めて浪人するとなると色々感じるもの、思うことはある。



高校3年間はとても誇れるものではないと私は考えている。無論周りの所為にする気などない。部活を1年の晩夏で辞め、行事にも携わることなく、勉学に関してもこうして浪人が決まったので努力したとは言い切れぬ。

これは私の努力不足、これを私は「逃げ」と表現している。より適切な表現がまだあるかもしれない。

兎にも角にも、高校生活、浪人生活含めて最低でも4年は何をするでもなく、何を残すでもない。そこで、大袈裟かもしれないが私が生きた証を残しておきたいと考え、ブログを始めた次第である。凡才故、大したことは書けないし、愚痴や不満をこぼす場になるかもしれないがどうか御容赦願いたい。



初めての投稿、何を書こうか考えたが、私が今までで最も感銘を受けた絵画について書こうと思う。



作品名は「バベルの塔」である。旧約聖書に登場し簡単に言えば、人類が渦高くバベルの塔を建てた結果神の怒りに触れ、それまで一つだった人類の言語が数多に別れた、というものである。

長らくブリューゲルの作品だと思っていたが、この度調べ直した所、フラン=フランケンとヨー=デ=モンペールという人の共作であることが判った。最下部にURLを貼っておくので是非見て欲しい。

私がこの絵に出会ったのはベルギーに住んでいた中2の時の校外学習だと記憶している。場所はブリュッセル王立美術館である。
芸術などさして興味もなく、友人と談笑しながら行った訳であるが、それだけに見た時の衝撃は忘れられない。何が、と問われると上手く答えられないのではあるのだが。



ゲートをくぐり、階段を登り、左手の廊下を少し進んだところの小さな部屋の奥、真正面にそれはあった。非常に大きな絵であった。縦横1mは少なくともあったと思われる。

とにかく壮大であった。やや高い位置に展示されていたこともあってか、塔の上の神から見下されているような心持ちになった。心に刺さるものがあった。ただただ感嘆するばかりであった。


語彙が足りずうまく伝えられないのであるが、かなりの衝撃を受けたのは事実である。今後行く機会があること、再び見る機会があることを願ってやまない。