かたつぶり
関東地方では梅雨が明けた。過去最速だそうである。夏至も過ぎこれからいよいよ夏本番である。
私は夏が嫌いである。熱いのが苦手な私は日本特有の高い湿度も相まっていつも苛立ちを隠せない。裸になっても夏は暑い。南半球に行きたいと思う。
無論全てが嫌いなわけではない。高校野球はどの試合も目が離せないし、ヨーロッパサッカーでどの選手がどこへ移籍するのかは逐一チェックする。
しかし何よりも、学生である以上1度は聞くセリフ「夏は受験の天王山」が嫌いである。
浪人生が戯言を言うなと言われればそれまでなのだが、果たして夏を制したものが受験に必ず受かるかといえばそうでもないだろう。
時期が時期なだけに大切さを感じて欲しいのはわかるがそんなことはわかっている。くどい。
加えて私は努力が苦手、嫌いな怠惰な人間である。どうも一気に追い込みとか、そういうことができない。かといって毎日こつこつ継続して学習するのもできない。やっていないだけかもしれないが。
こうやって言い訳を書き連ねて自分でも醜く思うが事実なので仕方がない。だが努力は続けねばならない。実にもどかしい。
小林一茶の句に次のような句がある。
『かたつぶり そろそろ登れ 富士の山』
一茶が詠んだかたつぶりのように、山頂まで自分のペースでそろそろと登って行きたいと思う。干からびないように、そろそろと。
そんなかたつぶりが、今夏の私の目標である。2月の本番までに山頂に辿り着けると良いのだが。